2016年の1月は、思いもかけず、連続で素敵なものを習ったよ。
その一つが、Neujahrskranzノイヤースクランツ(新年の輪っか:リース)

正式にはMünsterländer Neujahrskranzといって

ノルトライン=ヴェストファレン州のミュンスターランド地方の新年のイーストの菓子パン。
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いや、まぁ、このレクチャーが面白かったのなんの。

ドイツのお正月関連の伝統的なものって、近場では、有名なものがないので、

血縁者に、そちらの方の人がいるドイツ人女性が、紹介してくれたの。

そういう機会って、案外ないし、なにより、ドイツ人自体が知ってる人が多くないというのが事実。


ぱっと見、イースターの頃に食べるパン菓子に似てるっていう印象をわたしは持ったのだけど、

同じような生地で作るとのこと。


年が変わる時に作って、その時に合う友人知人にプレゼントしたりするんだって。

わたしにとって、もっとも興味深かったのは、

具の意味。

生地は小麦粉(ディンケル小麦や全粒粉でもよい)、イースト、牛乳、バターで用意して、

3つに分けて、

一つには ロー・マジパン、ピスタチオ、ウィスキーを混ぜたものを。

それは、新年に送られる喜びや幸運を表現。

二つ目には、 干しぶどうを。

これは、健康や力の印。

三つに目には何も入れないの。

自然さとか、地に帰る死とか、自分自身とか本質的なものをしめして。

その三つを三つ編みにして、意味合いをさらに強めて、ハッキリ見せて、

それぞれの生地の上にトッピングとして生地の中と同じものをかけて、

リースの形にすることで、永遠というか、繰り返しを意味して、

来るべき年に必要であろう喜び、幸運、健康、力などの願いを強調しているそう。


んもう、何聞いても、「へーっ」ってことばかりで。

このノイヤースクランツについては、ちらりと見かけたことがあったけど、

そうやってちゃんと説明してもらったら、

もう、来年は(いや今年の年末か)、絶対作ろう!って気分になった(単純)笑。


そして、すっごい美味しかった。

レクチャーしてくれたドイツ人女性にお願いして、連絡先交換して、

レシピを教えてもらいました。

その女性のご主人のおばあさんからのレシピ、だったかな。



新年に作るパンといえば、ザーランド地方(フランスとの国境にある小さな州)にもあるそうで、

そこでは、子供達のゴッドファーザーやゴッドマザー(洗礼親)が、
方言で

Prosit Neujahr,
eine Brezel wie ein Scheunentor,
ein Kranz wie eine Ofenplatte,
da werden wir all'von satt

「あけましておめでとう、
 小屋の扉のようなブレーツェルと
 オーブンの調理台のようなリースがあれば、
 みんなお腹いっぱい(的な意味だと思う:ちょっと違うかもしれんが意味は汲んでくだされ)」

と決まり文句を言いながら渡すんだって、

日本でいうとお年玉に似てるね、大人から子供へのプレゼントって意味で。って勝手に想像中。

口上の文句にもあるように、

男の子はブレーツェルを、女の子はリース状のパンをもらうんだって。

面白いねぇ。